まとめノートは簡潔に、整然と書く

まとめノートは、あとから見て、「とくに考えなくてもパッと見ただけで目に飛び込んでくる」ように整理して書くことがポイントです。文字を追わなければ内容を理解できないのであれば、それは左脳的勉強法の範ちゅうです。しかし、書く位置や色、文字の大きさなどによって、きちんと「役割」を明確にすると、一瞬見ただけで、その重要度などが判断できるようになります。これが右脳的要素を取り入れた、まとめノートの極意です。

一目でわかるノートの書き方

まとめノートを作る場合、2つのシチュエーションがあります。ひとつは、学校や予備校の板書(黒板やホワイトボードに書かれたもの)を写したり、先生が言ったことを忘れないようにノートに書き留めておくというケース。もうひとつは、浪人生や資格試験を目指す社会人が、独学で受験勉強をしている場合。

板書を写す場合は、正確にノートに書きますが、先生や講師が言ったことも、しっかり明記しておくようにします。この場合は書くことが多くなるので、レイアウトを工夫して、きれいに書くことがポイントになります。
それにたいして独学で、まとめノートをつくる場合は、本当にわからなウィークポイントだけを書くようにし、
できるだけ書くことを少なくするのがポイントです。

なお、授業中にあまりに書くことが多かったり、先生が早口の場合、「ワンクッション」をおいて、「走り書き専用の、乱雑に書いてもよいノート」をつくるのも手です。授業中にていねいにノートを取っていると、間に合わないからです。いったん胃に食べ物をためておいてから、少しずつ小腸に送り出すようなものです。そのぶん家に帰ってから「清書」しなければならない手間が生じますが、プラスに考えれば、それは復習にもなります。

学校でのノートの取り方

学校や予備校で、板書をノートに書き写す場合は、まずは書く場所を、あらかじめ決めておくことが大事です。たとえば一例として、以下のような工夫ができます。

  • 左ページに板書や先生の言ったことを書き、右ページに調べたことを書いたり、プリントを貼る
  • さらに左ページを2つに分け、左側に板書を写し、右側に先生がしゃべったことを書く
  • ノートの上部などの余白には、補足事項を書く (矢印で引っ張る)

これは、あくまで一例ですが、このように事前に書く場所を決めておくことで、あとから「まとめノート」を読み返したときに、スムーズに脳内に入ってきやすくなります。レイアウトのルールが決定したら、つぎにデザインを工夫していきます。たとえば・・・

  • 重要度によって色を変える (たとえば赤が最も重要。次に大切なのはオレンジ。次は緑・・・)
  • 重要度によって文字の大きさを変える (板書の写しは大きく書き、補足的なものは小さく書く)
  • できるだけ、自分で考えた「見出し」をつける (大きな文字で、太いペンでしっかり書く)
  • ポイントは漫画の吹き出しのようにしてもよい (メリハリができて見やすい。親しみがわく)
  • イラストや図を描いてもよい (右脳的に理解できる。勉強が楽しくなる)

このように、まずは「まとめノート」のレイアウトを決定し、さらにデザインのルールを決めることで、かなり楽しいノートに仕上がります。色使いにかんしては、できれば2色、多くても3色までにしておいたほうが、目がチカチカしなくてすみます。あまりにコテコテとした色使いにすると、あとから見返したときに、どれが重要なのかが分かりづらくなります。

まとめノートの一例

ここで、実際のまとめノートがどんな感じか、イラストにしてみました。
百聞は一見にしかず、だからです。

レイアウトを工夫した、ノートの書き方

ノートの取り方のポイントは、未来の自分にたいして、いかに親切になれるか?ということです。
未来の自分が困らないようなノートの取り方こそが最高のノート術なのです。中学や高校の受験、大学入試でも、将来の自分が合格の喜びをかみしめるために、今を耐えて努力する。それと同じですね。ノート作りは、ほかの人ではなく自分だけが見るのですから、自分がもっとも見やすいものに仕上げていきましょう!

ノートの取り方に、さらに一工夫を加える

以上のように、まとめノートの書き方は、まずはレイアウト、つぎにデザインのルールを決めます。
自分に合ったルールでよいのです。自由に書くことは、いっけん楽に見えますが、じつは「あとになって不自由に」なります。今を自由にするか、あとを自由にするか、ですね。

さて、きれいなノート術の次のステップに進んでいきましょう。
それは、感情を加味したノートの取り方です。人は感情移入することによって、大脳辺縁系にある扁桃体という部分が活性化します。すると兄弟分である、記憶の管制塔「海馬」を呼び覚ますのです。つまり感情を活用したほうが、少ない反復回数であっても長期記憶化しやすいということです。海馬でLTP(長期増強)が起こりやすくなるからです。

うれしい出来事があると、それはいつまでも記憶に残りますよね?反対に嫌な出来事でも、記憶に残る場合があります。それは人間の感情と記憶が、密接にかかわりあっている証拠です。

まとめノートに感情を取り入れるには、一体どのようにしたらいいのでしょうか?
とくに難しいことはなく、授業中に先生が話したことや板書に書いたことにたいして、率直な感想をノートに記せばよいのです。

日本史や世界史だったら、「ひどいやつだ・・・」とか「許せないな」とか。そのほか先生が言った「ちょっとした冗談」を逃さずに書く。そうすることで、あとから「ああ、あのとき先生が言った冗談だな・・」といった思い出し方ができ、それが記憶の定着に一役買います。「受けるw」とかでも書いておけば、面白いですね。ネットの2chなどの掲示板のように、感じたことをダイレクトに添えていきましょう。

家でノートを取る場合の工夫

学校や予備校といった「通学」がない場合は、むりして受験参考書や教科書、テキストの文章をノートに丸写しする必要はありません。それでは、「勉強しているつもり」という「代理満足」の落とし穴にはまってしまいます。それよりは何度もテキストを黙読して読み返すほうが、よっぽど効率のよい勉強方法となります。
板書の丸写しは「授業が終われば消されてしまう」ので、ノートに記録する必要性が生じますが、独学の場合は、教科書をノートに丸写しにするという勉強法はNGということです。

それでは、独学で一人で学習する場合のノートの取り方のポイントは何でしょうか?
それは、全体の階層構造を明確にするために書いたり、弱点だけをまとめたノート術です。テキストを勉強していると、雑然とした知識がどんどん頭に詰め込まれるいっぽうで、お互いの関係性が見えなくなりがちです。ところがノートに箇条書きにしてみたり、階層構造にして「見える化」することによって、一気に脳内が整理されます。雑然と机の上に積まれていた本を、種類ごとに分類して本棚にしまえば、すっきりしてすぐに見つけられるようになりますが、それと同じことですね。脳内の「あるべき場所」に落ち着くということです。

学校で板書を写したり、先生の言ったことを書く場合は、必然的に書く量が多くなります。板書はすべて正確に書き写す必要があるからです。しかし自宅で独学で受験勉強をしている場合は、そのようなことは必要ないので、自分の弱点だけをまとめたノートをつくればよいことになります。あるいは脳を整理するために、ノートにちょっと書き出してみるなどですね。

弱点をまとめたノートを作成する場合、できるだけ簡略化して箇条書きにすると見やすくなります。
自分の言葉でまとめることが、長期記憶化をうながすわけです。学んだことは、すぐにブログに書くと記憶に留まりやすいといわれます。それと同じ原理です。自分の言葉として紡ぎだすさいに、いったん脳内で整理し、理解しなければなりません。短い文章にまとめるとなると、なおさら理解していないとできないことです。
独学している人は、板書を写すノートとは違って、できるだけ簡潔に短くまとめる。これがポイントになります。

以上、まとめノートの書き方について、基本的なことをまとめてみました。
そのほか教科別にも、微妙なノート術があります。たとえば数学の問題集のノートは、1ページに1問ずつ書く。あるいは、間違った答えは×をつけるだけにして、消さずに残しておく。こうすることで、あとから読み返したときに論理的思考の筋道がわかるからです。英語だったら、英文の下に日本語の直訳を書くと、「理解したつもり」になってしまう危険があるので、縦に並べずに横に並べて書くようにする、などです。しかし基本となるレイアウトやデザインの考え方の部分に関しては、全科目共通なので、ぜひ日々の学習にお役立てください。

あとがき

まとめノートは、小学生や中学生の家庭学習にも大切な要素ですし、中学受験や高校受験、大学入試にとっても基礎力を涵養するうえで欠かせません。学校でノートを取る意味は、とりあえず記録したりすることですが、それで終わっては意味がありません。あとから何度も読み返して、復習してこそ、それらが長期記憶として定着します。教科書の理解を補足するような、そして何度も読むことに耐えられるような、そんな大学ノートこそ最高の作品です。

よく美しいノートの取り方を探している人がいます。美しいとは、言い換えれば「整然と並んでいて見やすい」ということです。それに加えて、きれいな字で書けば最高です。これこそ見やすいノートのまとめ方になります。蛍光ペンやカラフルなボールペンで塗りたくるのが、上手なノートの取り方ではないのです。つまり派手さを追うよりも、シンプルに徹することこそが、きれいなノートのまとめ方といえるのです。東大生のノート術といった本が人気を集めていますが、けっきょくはシンプルであり、わかりやすく整然としているわけです。

ただし、東大生のノートの書き方を参考にするのもいいですが、このへんは、やはり各人の性格も関係してくるでしょうね。大雑把気質の人は、だいたいのルールは踏襲しつつも、あまり神経質な部分にこだわる必要はないと思います。逆に几帳面な人は、東大生のノートの取り方を見習ってもいいかもしれません。

本文でも少し述べましたが、教科別にノートのまとめ方が少し違ってきます。社会科(日本史、世界史、公民、地理)や理科でも違ってきますし、算数、国語(現代文、漢文、古文、漢字の書き取り)、化学、物理、生物などでも違ってくるでしょう。地理の勉強では、できるだけ白地図のように書き込むといいと思います。看護学生なら、解剖図を描いてみたり・・・。

ただ、まとめノートの書き方にこだわるのは、中学生以降でいいのではないでしょうか。小学生の段階では、ふつうに先生の板書を書くだけでいいと思います。このころは、まだ脳が意味記憶主体の臨界期であり、素直に受け取る勉強方法が適しているからです。勉強内容に対して自分の解釈を持ち出したり、教科書の知識に論理的思考を加える必要は、まだないわけです。しかし中学生以降になると、徐々にエピソード記憶へと臨界期が以降していきます。そのため勉強の知識にたいして、論理的な意味づけが必要になってきます。丸暗記が苦手な年代になってくるので、自分の頭で考えることが必要になってきます。そこで先生がしゃべったことも書いたり、それに対する感想を描いたり、自分で調べたことを書いたりといったことも大切になります。