勉強を習慣にすると自動化でき、楽になる

勉強を習慣にすることは、効率的な勉強方法を行う上では欠かせません。
学習を習慣化できれば、毎日の受験勉強が非常に楽になります。頭で考えなくても、体が勝手に動くとでもいうのでしょうか。ときには勉強のやる気やモチベーションがわかなかったり、体調がすぐれないことがあるものです。悩みごとや、他に興味のあることが出てくることもあるでしょう。

しかし習慣になっていれば、不調なら不調のまま、モチベーションが低いなら低いままに、机に向かうことができます。そして調子が悪くても、何とか学習を続けているうちに、だんだんエンジンがかかってくるようになります。習慣とは、試験の合格という目的地にむかってレールを敷くことです。多少調子の悪いときにエンジンがきれても、とりあえずは慣性で目的地に進んでいくことができます。

家事や育児が日課になっている主婦は、とくに苦もなくノルマをこなしているはずです。またサラリーマンでも毎日通勤しているうちに、それが習慣になるので、それほど苦にならなくなります。小学生や中学生、高校生の通学でも同様です。逆に週2回の学習塾や予備校になると、毎日のノルマではないぶん習慣化しづらいため、いつまでたっても辛く感じる、ということがあります。

このように知らずうちに「習慣の力」を活用して、人は毎日の生活を上手に送っています。ただ試験勉強や家庭学習となると、急に習慣がなくなってしまいがちです。勉強が嫌いだったり苦手だったりすると、どうしても教科書や受験参考書から遠ざかり、勉強するのは試験やテストの前だけ、ということに・・・。それでは、いつまでも習慣にならないため、「勉強が辛いまま」です。高校受験や大学センター試験を目指す試験勉強においては、毎日の習慣にしてしまえば、それほど苦にならずに進めていけるものです。

いつまでたっても勉強を習慣化できない理由は、やったりやらなかったりと「むら」があるからです。
昨日は6時間勉強に集中したけれど、今日は1日中遊んでばかり、翌日は1時間だけの勉強・・・このような生活スタイルでは、いつまでたっても習慣になることはありません。

習慣は、毎日、同じ時間に同じことを実行することによって形作られます。ですから勉強を習慣にしたいなら、毎日同じようなスケジュールを組んで、淡々と学習していくことがポイントになります。

習慣とは潜在意識の力を借りること

勉強を習慣にするためには、意識の力ではなく潜在意識の力を利用することがポイントになります。
やったりやらなかったりと、毎日のノルマになっていない場合は、その都度、頭で「やらなきゃ」と自分を奮い立たせなければなりません。これは意識、つまり顕在意識の力を使っている状態。これでは義務感ばかりで、ストレスを感じてしまうことになります。

その反対に潜在意識の力を利用して勉強を習慣化できれば、意識の力をさほど必要としなくなります。
まったく不要というのではなく、それほど辛い思いをしなくて済むのです。体が勝手に動くからです。
身近な例でいうと、自転車の乗り方を覚えることも潜在意識の力によります。脳科学では、手続き記憶(方法記憶)といいます。一度乗り方を覚えてしまったら、とくに足や手の動かし方やバランスに「意識」を向けなくても、潜在意識が勝手に調整してくれます。

顕在意識は大脳の表面にあり、進化の過程で比較的新しい部分が担当しています。大脳新皮質と言われる部分で、そのうち「前頭葉、側頭葉、頭頂葉」のそれぞれにある連合野に当たります。とくに思考の座といわれる前頭連合野は、物事の判断や思考、記憶などに関係しています。ですから脳の前面にある前頭葉こそが、顕在意識といってもよいでしょう。

それにたいして潜在意識は大脳の奥深くに存在し、進化の過程で初期に形成される部分です。ここは動物脳といわれ、大脳辺縁系ともいいます。これには、記憶を担当する「海馬」、感情や本能を司る「扁桃体」などがあります。また、運動に関係している「大脳基底核」も潜在意識にかかわっています。

つまり勉強の習慣化とは、脳の表面の力ではなく、脳の奥深くにある「大脳辺縁系の力」を借りることにほかなりません。顕在意識は脳の表面にありますが、潜在意識は文字通り、脳の奥深くに潜在しています。
何度も繰り返すことによって、はじめは意識を必要としていたものが、だんだん無意識化していきます。

習慣化するコツは最初の1か月

勉強を習慣にするためには、最初のうちだけ意識の力を必要とします。初めは、どうしても意識的に努力しなければならないのです。ただ、その期間は脳科学によると、だいたい1か月といわれています。つまり最初の1か月間は、どんなに辛くても、毎日続ける必要があるということです。

でも、その1か月を乗り切れば、あとは潜在意識にバトンタッチできるので随分と楽になります。そのときは脳内に、太い神経回路が形成されるのです。つまり電気信号が流れやすくなり、神経伝達物質が移動しやすい状態になります。これが習慣化です。

酒(アルコール)ばかりを飲んでいる人は、そのための太い神経回路が脳内にできているので、なかなかやめられません。タバコや過食もそうです。太い神経回路に電気が流れなくなると、どうしてもウズウズしてきて落ち着かなくなり、該当の行動を取ってしまうのです。ですから有効な対策法としては、1か月間だけ我慢すればいいのです。そうすればスムーズにやめられます。

このような習慣化の力は、どうせなら試験勉強など、有意義なことに活用したいものです。
「1か月たてば習慣化でき、そのあとの行動が楽になる」とあらかじめ分かっていれば、その1か月間は辛抱できるのではないでしょうか?もしそうした知識がなければ、そもそも1か月がんばろうとも思わないはずです。

勉強を習慣にして全自動化するには、最初の1か月は、いつも同じ時間帯に、同じ教科の学習をすることがポイントです。毎日、勉強していても、時間帯にばらつきがあったり、科目がその都度違っていては習慣化の形成が遅れてしまいます。夜の9時から歴史を勉強すると決めたら、どんなに観たい番組があっても歴史の勉強をすることです。観たいテレビは録画しておいて、あとから観ればいいのです。

これが習慣になれば、夜の9時が近づくにつれて、無意識のうちに心身が勉強の準備をはじめます。
そして9時になるころには、しぜんと集中力や脳の回転がマックスになります。もしも9時に歴史の勉強をすっぽかすと、なんだか落ち着かなくなったりします。ジョギングを習慣にしている人が、1日でも休む日があると落ち着かなくなることと一緒です。

以上のような習慣化の力をつかえば、目的地に向かって、しっかりとしたレールを敷けるので、途中で脇道にそれたり脱落するという危険がグンと減ります。ただし、いくら習慣化できたといっても、行動が楽になるというだけで、毎回、多少の意識の力や努力は必要となることを忘れないようにしましょう。