勉強に運動を取り入れよう!

勉強と運動は、とても密接な関係にあります。いっけんすると頭脳と体は、別々のものに思えます。中学受験や高校受験、大学センター試験に没頭すると、勉強時間が長くなるために、どうしても運動する時間がなくなります。また、頭ばかりを働かせていると、どうしても体を動かそうという気持ちが出てこなくなったりします。
そうなると理由をつけて、ますます運動できないということに・・・。

しかし、勉強に運動を取り入れることによって、学習の集中力や記憶力、思考力、読解力、やる気といったものが向上することがわかっています。そうとわかれば、「両立できない」とは、もう言えなくなるはずです。
やったほうが勉強がはかどり、試験の合格にグンと近づくからです。

それでは、なぜ運動すると脳に好影響を与え、勉強効率がアップするのでしょうか?その理由をまとめると、以下のようになります。

  • 単純にストレス解消になる
  • 脳への血行がよくなる
  • 海馬が活性化する

このように運動することで脳が活性化され、勉強の能率が上がるのですから、取り入れない手はありません。運動せずに受験勉強だけに没頭している人は、自分から好んで勉強の質を下げているわけで、とてももったいないことをしているわけですね。

運動を習慣づけることで、病気になりづらい健康な体をつくっていくことにもなります。受験期間中に風邪などをひくと、その間、勉強の質が低下したり中止を余儀なくされます。そうならないためにも日ごろから体を動かし、免疫力を高め、血行をよくしておくことは、立派な「勉強方法」の一部といえるのです。

運動はストレス解消になる

これは、とくに理由はいらないと思います。机の前に長時間、ずっと猫背で座ったままでいると、気分がうつうつしてくるものです。そうなると呼吸が浅くなり、体内に入ってくる酸素量も減少します。
ところが、椅子に座ったままでもいいので、ちょっと腰をひねってみたり、立ち上がって背伸びをするだけで気分がすっきりし、晴れやかになります。

歩きながら勉強しているのなら別ですが、座ったまま同じ姿勢でいると、体の骨や筋肉、スジが凝り固まってきます。これが体中の血行を悪くするわけです。体をストレッチしたり、軽い有酸素運動をすることによって、硬くなった筋肉がほぐれ、全身の血行がよくなり、その結果、体が喜びます。これが爽快感を生むわけです。

ところで受験勉強は脳で行うものです。運動の爽快感も脳で感じるものです。ということは運動して爽快になれば、勉強の集中力や思考力もアップし、学習の質が上がるということになります。

またウォーキングやスロージョギング、室内での踏み台昇降、足踏みなどは、単調な刺激を繰り返すことになります。リズミカルなエクササイズです。これが脳内のセロトニン神経を活性化します。そうするとセロトニンという神経伝達物質が分泌されてきて、勉強のストレスを和らげてくれるのです。そのほかガムをかむことでも、リズミカルな運動になり、脳内のセロトニン神経を活性化します。

運動後に勉強をすれば、脳を活性化した状態で学習に取り掛かれます。
また休憩時間に運動をはさむことで、効果的なストレス解消法となります。中学受験でも高校受験でも、難関資格試験でも、どうしてもストレスがたまりがちです。そんなとき、ただじっと休んだり、食べたり、テレビを観てストレス解消するのではなく、軽いストレッチや有酸素運動をすることによって、もっと効率的に気分転換できるのです。しかも脳まで活性化するのですから、その後の勉強が、さらにはかどることは間違いありません。

脳への血行がよくなる

勉強に運動を取り入れると、体のコリがほぐれて血行がよくなり、その結果、体が喜び、爽快感を感じると述べました。

体の血行がよくなるということは、脳の血行もよくなることを意味します。
心臓や胃、小腸などの内臓、それに腕や足に流れている血液は、まったく同じものが、そのまま脳の血管に流れ込んでいくからです。逆に体が凝り固まって血行不良になるということは、脳への血流が減少してしまうことを意味ます。

勉強の前後に運動を取り入れることによって、脳の血行がよくなれば、脳に、より多くの酸素と栄養素が送り届けられることになります。新鮮な酸素と、脳にとって唯一の栄養源であるブドウ糖が、速やかに届くようになるのです。そうなれば、「脳の機能が全体的に高まる」ことは言うまでもないでしょう。

机の前にしがみついて、まったく運動をしない人は脳の血行が悪くなるので、集中力や記憶力、思考力、判断力、読解力がいちじるしく低下します。そうすると本来は、3時間で終了するところを5時間とか6時間も延長することにもなりかねません。

勉強は1時間くらいで区切って、休憩時間に軽いストレッチや有酸素運動を行えば、体だけではなく脳の血行もよくなり、やる気やモチベーションが復活します。脳と体の疲れをリセットできるのです。そうなれば、その後の勉強の質が高まって、非常に効率的な学習にしていくことができるわけです。

海馬が活性化する

勉強に運動を取り入れる効果は、ストレス解消や脳の血行促進だけではありません。
脳の奥深くの大脳辺縁系という部分には、記憶を担当する海馬(かいば)があります。運動をしたとたんに、脳の血行とは関係なしに、この海馬が活性化します。するとシータ波(θ波)という脳波が出てきて、学習への集中力や記憶力が高まることがわかっています。

海馬には場所細胞(場所ニューロン)という部分があって、場所を移動するだけで活性化するという性質があります。ですから部屋のなかを、ゆっくりと歩くだけでも海馬にある場所細胞が活性化して、記憶力や集中力を高めてくれます。この場合、リズミカルな動きや、軽く息が切れる有酸素運動を意識する必要はありません。ただ体を動かして場所を移動するだけでよいのです。

古代ギリシャ時代に、アリストテレスが弟子たちとともに、ゆっくりと歩きながら議論をしたり、いろいろな思索にふけったことは有名です。また二宮金次郎が、歩きながら本を読んだ逸話も残っています。

過去の偉人は自分の経験から、歩くなどして場所を移動しながら脳を働かせると、格段に勉強効率がUPすることを知っていたわけですね。以上の事例は、「運動しながら」の勉強効果ですが、もちろん勉強前や休憩時間に行なっても同様の効果を期待できます。

勉強前に軽く体を動かせば、集中力の指標であるシータ波が発生するので、その後の勉強にスムーズに入っていけます。もちろん先ほど述べたように脳の血行も促進されるので、相乗効果になりますね。
また勉強後に運動すれば、ベータ波に傾いてきた脳を、再度、シータ波に戻すことに役立ちます。そのうえ前述したように、運動には単純にストレス解消効果もありますから、これも相乗効果となって上手に疲れを取り、次の勉強へとスムーズにつなげていくことができます。

以上のように勉強と運動は、切っても切り離せない関係にあります。
勉強だけをして、まったく体を動かさないというのは、もったいないことがお分かりいただけたでしょうか?
たとえば中学生や高校生などで、受験に専念するために部活動を休部したり退部したりして、その後、運動から疎遠になっている人は、自宅で簡単にできる運動だけでも継続していくことをオススメします。

今まで多少なりとも運動の習慣がある人は、勉強の合間に、さらにひんぱんに取り込み、運動不足気味の人は、まずは1日1回は運動することから始めていきましょう。