勉強はバランスが大切

私立の高校受験を目指す学生なら、やるべき勉強は国語・数学・英語だけでいいわけですから、やることは限られています。この3教科の学習を日課にすることは、それほど苦ではないでしょう。

しかし公立高校だと、社会科や理科が加わりますし、大学センター試験となると倫理をはじめ、かなり多くの科目を勉強しなければなりません。そうなると、勉強のバランスということが大事になってきます。

受験勉強においては、「記憶」という観点からも、「感覚」という観点からも、すべての教科を毎日、バランスよく学習していくことが肝になります。今日、英語を勉強したとして、つぎは3日後に英文を読む。これでは、英単語や構文は長期記憶化しませんし、英文法やヒアリング、ひいては英語全体に対する感覚も鈍ってきます。

やはり、毎日のように教科書を読み、毎日のように過去問に取り組む。
それでこそ、模試やテストで問題を読んだときに、「反射的に」解答していくことができます。この「即答」のスピードは、大学センター試験では、とくに重要となります。センター試験では、本来は解ける問題であっても、時間が足りなくなってしまうことが多いからです。

空手や柔道、剣道でいえば、毎日稽古をしないと体力が低下し、技の感覚が鈍ってきます。
その状態であっても、初心者相手には勝てるでしょうが、ライバルには対抗できなくなってきます。

試験勉強もこれと同じで、つねにすべての教科に接することで、すべての教科にたいする感覚を研ぎ澄ましていく必要があります。休んでしまったら、せっかく記憶できたことや、一度は理解できたことが、すぐに思い出せなくなってしまうのです。このタイムラグが、本番の試験でボロを出します。

最終試験は、まさに時間との格闘です。長期記憶の保管庫である側頭葉などから、一瞬にして前頭葉のワーキングメモリという「まな板」に乗せて、調理しなければなりません。思い出せないということは、いつまでたってもワーキングメモリに乗せることができないわけですから、調理することもできません。

もし受験勉強の科目が、国語・数学・社会科・理科・英語の5教科だったら、これらを毎日、勉強すべきです。今日は国語と数学、明日は社会と理科というようなスケジュールでは、どうしても感覚が鈍ってきます。

たとえ、その日の授業で数学がなくても、家に帰ってから自主的に数学の勉強をすべきです。
受験勉強では、得意科目だけに偏ることはタブーであり、すべての試験科目の実力を均等に引き上げるべきなのです。その場合、時間帯によって、行う学習を分けると習慣化しやすくなります。

たとえば朝の勉強では、英単語の書き取り、あるいは社会科(日本史、世界史、地理)などを勉強する。昼には頭の回転が速くなるので、論理的思考を要する数学などを勉強する。そして夜は国語(現代文、古文、漢文)の教科書を読んだり、英文を音読したりする。そして最後に理科の学習で締める、といった感じです。

これは、あくまで一例ですが、あなたのやりやすい順序でスケジュールを組むとよいでしょう。
このように時間帯によって、やるべき教科を振り分ければ、「勉強のし忘れ」を防ぐことができます。また一定の時間が来たら、しぜんと該当の勉強モードになってきます。たとえば夜の9時から国語を勉強することに決めていたら、9時が近づいてくると、しぜんと脳が国語モードになるのです。これは習慣化によって、9時という時間のイメージに、国語という教科のイメージが重なるため。

スポーツでも、ランニングだけをやっていては上達しません。やはり筋トレや柔軟体操(ストレッチ)、地道な基礎練習、高度なテクニックのトレーニングなどを、毎日バランスよく実践していくことが不可欠です。
勉強も毎日、受験科目をすべて勉強していくことは、基本中の基本といえます。

また語学を学んでいる人なら、ヒアリングの能力だけではなく、リーディングやスピーキング、ライティングなど、すべての英語の能力をバランスよく引き上げていくことが重要となります。