録音した自分の声を聴いてみよう

受験勉強というと、テキストや教科書を目で読むことが主流になります。
もちろん英語なら黙読だけではなく、ネイティブスピーカーの声が録音されたものをヒアリングする、つまり耳を使ったりもします。また、自分で英文を声に出して読む「音読=スピーキング」という方法もあります。

そのほかに自宅の静かな勉強部屋で、テキストを読み上げる自分の声を、icレコーダー(ボイスレコーダー)に録音する。そして、それを移動中などに聴く勉強方法は、かなり斬新です。そんなに立派な機械がなくても、携帯やスマートフォンの録音アプリを使えば、いつでも簡単に録音することができます。

まず、ふつうの音読とは緊張感が違います。
あとから聴くために録音するわけですから、つっかえずに、なめらかにしゃべろうとします。これが適度な緊張感を生み、大脳辺縁系にある扁桃体を活性化させます。すると通常の音読よりも、記憶が脳に定着しやすくなるメリットがあるのです。

しかも、一度吹き込んだ音声は、電車の中や歩いているときに使いまわせます。
電車の中での勉強は、けっこう揺れたりするため視点がさだまらず、目が疲れることがあります。そういった人は、あらかじめ録音しておいた自分の声をヒアリングするとよいのではないでしょうか。

歩行時も、英単語帳を見たり、テキストを読んだりできないこともないですが、周囲に注意がいかず危険なこともあります。その点、録音されたものを聴く勉強法なら、注意は聴覚に向いているものの、視覚は自由です。周囲の状況に気を配ることができます。

自宅以外では、勉強している姿を見せたくない人や、できるだけ視力の低下を防ぎたいという人は、自宅で音読して吹き込んでおいた音声を、外で聞くようにしましょう。

自分の声を聴くわけですから、そこには親近感がわきます。
自分の匂いもそうですし、「自分のもの」は何でも馴染みやすいものです。また一度読み上げた文章ですから、外出時に聴くときには、「かならず」2度目3度目ということになり、しぜんと復習にもなります。


自分の声を録音するさいのポイントとしては、まずはざっと黙読して、内容をある程度把握してから音声を吹き込んだほうがよいでしょう。音読するときに、はじめて接する文章の場合、「何て読むんだろう?」とか「どういう意味だろう?」と考えて、流ちょうに話せなくなります。そのため大体の概要を把握してから、収録に入るようにします。これは小さなことですが、大事なポイントです。

そのほかの勉強の仕方のアイデアとしては、たとえば歴史の場合だと、年号や人名、事件名をぼかしておく、という手法があります。読み上げるときに、「大化の改新は645年」と言い切ってしまうのではなく、「大化の改新は○○年」と言ってみたり、「○○は645年」というように吹き込むことも一興です。こうすれば、参考書を赤いシートで隠すような学習法と同じことを、耳で聞くだけでできます。

ぼかして録音するときには、正解のキーワードや年号をメモった紙を手に持っておくようにしましょう。
分からない場合は、そのメモをチラっと見るようにします。そうしないと「何だったかなぁ」ということばかり気になってしまい、そのあと流れてくる音声に注意が向かなくなります。

あたかも、ネイティブが話す流ちょうな会話のなかに出てきた英単語の意味が、わからずに気になってしまい、ついていけなくなるようなもの。分からなかったらボイスレコーダーをストップして、メモをその都度、確認するということですね。ぼかして録音する場合は、考えたり答えたりする余裕をつくるために、ゆっくり話したり、間を十分にあけながら吹き込むといいでしょう。

普段の学習では、テキストをすべて読み上げた音声を聴くようにし、中間・期末テストが近づいてきたら、記憶の確認の意味で、一部だけを隠した読み方をするといいのではないでしょうか。