学習机を整理整頓する効果

ふだん使用する勉強机の状態は、人によって様々です。
いつも整然となっている人もいれば、雑然といろいろなものが置かれている人もいます。これは性格が関係しています。整理整頓されていたほうが勉強に集中できるという人もいれば、雑然としていたほうが身が入るという人もいるわけです。

雑然としていたほうが集中できるという人は、あらためて整理整頓する必要はないかと思います。本人が「快適」と感じているわけで、別に問題はないわけです。
(ただし、あとで述べるように、必要なときに必要なものが取りだせないデメリットはありますが・・・)

問題は、雑然としていると集中力が減退するタイプでありながら、勉強机の上が散らかっているケースです。周囲の整理を心がけると、以下のような学習効果を期待できます。

  • 整理すること自体が運動になる
  • 気分がすっきりし、気が散らなくなる
  • すぐに欲しいものを取りだせる
  • 整理するクセがつくと、学習のさいにも無意識に応用できる

受験勉強になかなか集中できないという場合、もしかしたら机の上や勉強部屋のなかが雑然としているからかもしれません。まずは机の上からです。どうしても机の上が散らかってしまうようなら、勉強前に整理整頓を心がけます。このとき体を動かしますが、これが海馬からシータ波を発生させます。シータ波が出ると、集中力と記憶力が高まりますから、このときこそ勉強の絶好のタイミングです。

体を適度に動かしたり、場所を移動することによってシータ波は発生します。ですからストレッチや軽いウォーキング、準備体操のようなものでもいいのですが、机の上を整理整頓することでも代用できます。消しゴムのカスがあるなら、それもきれいにしてしまいましょう。教科書やテキスト、ノートも本棚に戻します。

このように学習前に、つねに整理整頓から入るようにするには、勉強し終わったときに元の位置に戻さないほうがよいわけです。ふつうは終わったあとに整理するものだというイメージがあります。そうではなく、終わったら雑然としたままに残しておく。そして次に勉強に入る直前になって、それを片づけるわけです。こうすることで毎回、勉強前に軽く体を動かすことになり、海馬からシータ波が発生しやすくなります。

さて、机の上を整理整頓すると、視界に入る情報量が減ります。
人間は、自分では感じていないかもしれませんが、視界に入る情報を無意識のうちに処理しています。部屋や机の上が雑然として、置かれている物が多いと、それだけ脳の処理量が多くなり、疲れてしまいます。
ですから勉強部屋や机の上には、あまり物を置かないほうがよいのです。無意識のうちに、前頭葉にあるワーキングメモリのスペースを浪費することにつながるからです。

そこで、できるなら勉強部屋は収納スペースや押し入れに入れて、あまり物が目に触れないようにします。
フィギュアとかぬいぐるみなどは、あまり置かないほうがいいわけです。隠せるものは、隠してしまいましょう。そのほうが脳の負担が減ります。壁にもポスターを貼ったりしないほうがよいわけです。図書館や自習室に、アイドルのポスターが貼ってあったらいやですよね?自分の部屋も、図書館などをイメージしていきましょう。

この考えは、使用する参考書やノートにも当てはまります。
あまりに派手な装飾の受験参考書を使用していると、目がチカチカして、余計な情報が脳に送られることになります。それだけで前頭前野のワーキングメモリの容量を浪費してしまいます。出版社側は、親切で色を付けているのかもしれませんが、そのことがかえって、読者の集中力と記憶力を減退させる一因になりかねないのです。できれば2色刷りのテキストがオススメです。多くても3色までではないでしょうか。

ノートに関しても同様です。あまりに多くの蛍光ペンで塗りたくると、脳が疲れます。どれが重要なものなのかも分からなくなります。ノート作りにおいては、書く場所によって役割を決め、整然と書いていく。このことが脳の負担を軽減し、すんなりと脳に記憶できるようにするためのポイントです。 (参考: ノートのまとめ方

そのほか机の上や部屋を整理するように心がけると、ほしいものがすぐに取り出せる効果もあります。
これは役割ごとに、あらかじめ分類整理しておくことによって可能となります。つまり、見えなくなればいい、隠れればいいからといって、ただ押し入れに詰め込むのではなく、その場所にまとめる「意味づけ」を持たせるのです。すべてのものは、同じ種類のものでまとめます。これは、言ってみれば階層構造です。

整理整頓が必要なのは、何も机の上や勉強部屋だけのことではありません。
パソコン内のデータフォルダや、ブラウザのお気に入りなどにもいえます。不要なものが雑然として混ざっていると、本当に必要なものが、それに隠れてしまいます。そうなると必要となったときに、すぐにアクセスできないという弊害が生じてしまいます。

以上のように机や部屋、パソコン内のフォルダなど、考えられるものは、すべて同じものでまとめ、分類するクセをつける。そうすると、それがあなたの考え方、思考法そのものになります。その結果、普段の試験勉強においても、得た知識をしぜんと分類整理して、脳内で階層構造をつくれるようになります。脳内で知識が整理されれば、長期記憶として定着しやすくなります。

脳に雑然と知識をつめこむことは、整理されていない勉強部屋のようなものです。
または、いっけん整理されているようであっても、押し入れやクローゼットに押し込んでいるだけの状態に相当します。脳内に詰め込むだけでは、個々の知識間の関係性が見えてこないので、つながりが希薄になります。脳内で孤立した知識となるため、いざというときに引き出せない、「使いものにならない記憶」となってしまいます。 (参考: 整理すれば記憶しやすい

以上のように、たかが机の上の整理、されど机の上の整理です。
それが勉強部屋やパソコン内の整理に広がっていき、ひいては、それがクセになる。そうすると新しく取り込む知識に関しても、しぜんと階層構造に置き換え、フォルダごとに分類していく思考法を手にできるのです。