勉強効率を高めるには?

勉強効率を高めることは、中学受験や高校受験、大学センター試験などの合格を勝ち取るための基本です。反対に、いやいや学習していたり、勉強の能率が悪い状態では、とても偏差値や模試の判定結果はアップしません。また最終の試験でも、望む結果を得られないに違いありません。これは、もちろん社会人が資格取得の試験を目標にする場合でもいっしょです。

勉強効率が高まっている時というのは、どういった状態でしょうか?
それは、以下の状態で判断することができます。

  • 毎日の勉強に充実感がある
  • 勉強に集中できる
  • 一度、記憶したことは忘れにくい

この3つの指標に合致していれば、その人は、効率のよい勉強方法を実践していると判断できます。
この場合、毎日勉強を繰り返すほどに好循環に入っていき、どんどん学力を高めていくことができます。

この3つは別々のことのように見えるかもしれませんが、じつはお互いに関連しており、同じ「脳」の状態をあらわしています。脳のしくみに逆らわず、脳が喜んでいる状態。対象のものにたいして「興味」をもって、取り組んでいる状態。

これは、脳波でいえばシータ波が優位の状態であり、ドーパミンが分泌されている状態といってよいでしょう。こういった脳であれば、勉強が楽しくなり、集中力と記憶力を最大化できるのです。これこそが効率的な勉強法といえるでしょう。

年代にあった勉強のやり方を

人は年代によって、効率的な勉強方法が違ってきます。

  • 小学4年生までは、丸暗記主体の学習
  • 中学3年生までは、丸暗記+論理的思考の学習
  • 高校生以上は、論理的思考の学習

このように年代によって、勉強のやり方は異なります。これを記憶の臨界期といいます。
子供のころは、まだ脳が発達段階にあります。そのかわり脳細胞が多く、元気であり、「記憶力が抜群」の状態にあります。子供が算数の九九や漢字を、どんどん吸収していけるのは、そういった年代だからです。

もちろん、まだ経験が浅いため、見るもの聴くものすべてが「新鮮」に映るということも、もちろんあります。
新鮮だと感じると、海馬からシータ波が発生して、記憶力が高まるからです。いずれにしても漢字の書き取りは、まさに小学生にぴったりの学習といえるでしょう。

しかし、そういった記憶力も小学校4年生くらいから、かげりを見せ始めます。
そこで小学校高学年あたりから、自分の頭でも考えるような家庭学習に切り替えていきます。また、ちょっと難しい本を読んでみるのもよいでしょう。

中学生に入ると、記憶力の低下はますます進みます。それに代わるものとして、論理的な思考が発達していきます。そういった脳の状態に合わせて、勉強法をシフトさせていかなければ、学校の授業において行かれる可能性があります。日本史の年号や人名、事件名などを、ただ丸暗記するような学習法では、ついていけなくなるわけです。それでは効率的な勉強方法とはいえません。

高校生以上ともなると、脳は、もう大人といっしょです。
丸暗記の能力は、小学生時代とくらべると、かなり低下しています。そのかわり、物事を筋道立てて考える論理的思考は飛躍的な発達をとげています。

英単語を覚える場合でも、ただスペルを見て、書いて覚えるだけではなく、接頭語や接尾語などを意識してみたり、同じようなグループでまとめて覚えたり、シチュエーションごとに暗記してみたりといった、「記憶どおしのつながり」を意識した勉強法が重要になってきます。ですから高校生や大学生、社会人は、見たままを覚えるという学習法を脱皮して、もう一歩深い学習法を採用することが、効率的な勉強法の第一歩となります。

基本を大事に、積み上げていく

効率的な勉強をしていくためには、一歩一歩、基本から身につけていく必要があります。
スポーツや武道でも、同じことがいえます。初心者が、いきなり試合や実戦をしても、うまくプレイできませんし、怪我が多発するでしょう。それでは、嫌気がさしてしまいますよね。勉強でも、背伸びせずに、自分の実力にあった教材を選ぶことが大切になってきます。

まわりのみんなが受験勉強をしているからといって、自分の実力以上のむずかしい参考書を選んでも、しかたありません。自分にとって、少しだけ難しいなという教材を選んでこそ、それをマスターしたときに、確実に学力を向上させていけるものです。難しすぎるテキストや問題集では、わからないことばかりで、嫌気がさすだけです。モチベーションも下がってしまうでしょう。

勉強に集中するためには、学習時間を細かく区切ると効果的です。
人間は、せいぜい90分くらいしか集中力を発揮できないといわれています。予備校の講義でも試験でも、だいたいこの前後なのは、人間の集中力がだいたいこのくらいだからです。

しかし、いつも最大の集中力では疲れてしまうかもしれません。
また集中できる持久力には個人差もあります。そこで自宅の学習では、たとえば1セット60分とか、あるいはもっと少なくして1セット40分くらいに設定するとよいかもしれません。そして休憩をはさんで、脳と体、目の疲れをとります。そして、また同じ時間、勉強するわけです。

脳の適度な緊張感がポイント

集中力と記憶力は、比例の関係にあります。
時間制限をもうけて集中している時というのは、記憶力も高まっているわけです。ですから上記のスケジュールであれば、ふつうに記憶力がアップしますが、もう一つ、コツがあります。それは、ちょっと空腹だなという状態で勉強することです。

人は空腹感を覚えると、脳の扁桃体という部分が興奮します。
この部分は「感情」や、食欲や性欲などの「本能」に関係しています。ですから、おなかが空いたなという状態で勉強すれば、扁桃体が活性化することに。扁桃体は、記憶を司る海馬と隣接しており、海馬を活性化させます。海馬からシータ波を発生させ、記憶力を高めてくれるのです。つまり空腹状態で勉強すれば、記憶力や集中力が高まるということです。

高校受験や大学受験、難関の資格試験では、小腹がすいて、つい食べたりしてしまうものです。ストレス解消のために、間食をとっている人もいるでしょう。しかし、ほどほどにしないと扁桃体が活性化しないので、集中力も記憶力も鈍ってしまう、ということになります。

ちなみに扁桃体は、空腹感などの「適度な緊張感」によって活性化します。
先ほどの時間制限をもうけて細かく区切って勉強することも、「適度な緊張感」が生まれるために扁桃体が活性化するわけです。それによって集中力と記憶力が高まることになります。

最後に、効率的な勉強方法を考えるのなら、アルコールには気を付けなければなりません。
なぜならお酒には、海馬でのLTPを抑制する働きがあるからです。LTPとは長期増強ということで、短期記憶を長期記憶にすることです。勉強をしたあとにアルコールを飲むと記憶が定着しなくなる、ということですね。もちろんアルコールを飲んでから学習しても、勉強の能率はグンと下がることがあるので注意しましょう。