英語のヒアリング教材を活用しよう

英語のヒアリング教材は、いろいろな会社から販売されています。アルクのヒアリングマラソンはその筆頭です。そのほか「ただ聞き流すだけ」というキャッチコピーのスピードラーニングは有名ですね。日常英会話が短文で聞こえてくるので、とっつきやすいです。まず短い英文が発音され、つぎに日本語訳が流れてきます。この順序によって、英語で考える癖がつくそうです。
ここちよいクラシックのBGMも流れているのでリラックスでき、よりスムーズに脳内に入ってきます。

こういった英会話教材のメリットとして、電車の中とか家事や料理をしながらとか、「何かをしながら」取り組めるという点があります。スマホとイヤホンがあれば、歩いている時にも聞けますし、車の運転中にも音声を聴くことができます。仕事で忙しい人向けの教材といえるでしょう。

英語のヒアリング教材のなかには、日本語訳→英語という順序のものもあったりします。
このへんは、あくまで仮説にのっとっている部分でもあるので、一定しないところがあります。いろいろな人の意見や体験談を参考にして比較しながら、最終的には自分で実際に聴いてみて、決めるしかないと思います。無料サンプルやダウンロードがあったりするので、まずはそこからでしょう。

ただ、どの英語のリスニング教材であっても、「ネイティブの音声を聴ける」のですから、「外れ」は基本的にはありません。あとは、「どれだけ、その英会話教材を使いこむか」にかかっています。”ただ聞き流すだけ”というヒアリング教材であっても、ときには集中して耳を傾けてみることも大切です。無意識で聞くより、やはり意識を集中したほうが、英文の理解や記憶が促進されることは間違いないからです。

英語のリスニングには、2通りのアプローチ

英語のヒアリング教材には、大きくわけて2つのアプローチ法があります。

  • ひたすら聴いて、無意識レベルでインプットする
  • 発音を分析したり、文法を意識して論理的に聴く

前者は、”ただ聞き流すだけ”というスピードラーニングの英会話教材もそうですし、ひたすら英語のシャワーを浴びることをコンセプトにした教材に当たります。とくに意識しなくても、音声は耳から入ってきます。そうすると、それを処理しようとして無意識レベルで脳が働くというわけです。

海外で暮らしていたり、ホームステイをしたりすると、しぜんと耳から英語のシャワーを浴びることになります。町を歩いていてもテレビやラジオをつけても、すべて英語なわけです。それと同じような環境を、日本にいながらにして作ることができます。このアプローチは右脳的であり、クラシック音楽を楽しむように英語の音声を聴くところがポイントです。

英会話教材のアプローチ方法として、左脳的にアプローチしていく方法もあります。
発音を細かく分解していって、その発声方法をマスターする。聴き取れるように訓練する。そしてテキストを読んで、英文法や熟語、構文、英単語などを覚えて、論理的に理解するように努めるわけです。つまりリスニングだけではなく、視覚をつかったリーディングも必須となります。そのほか、聴き取った英語を文字に起こしていくディクテーションという練習も効果的です。これはライティングを組み合わせた方法となります。

しかし、このような左脳的アプローチの特徴として、「疲れやすい」という点があります。
ただ聞き流したり、英語のシャワーを浴びる方法は、とくに思考を必要としないので、気持ち的には楽なものです。ただし長時間、耳を傾けつづける根気はいりますが・・・。

さらに、論理的な方法の欠点として、脳内でいったん日本語に変換しなければならない、という点があります。英語をそのままの形で理解するのではなく、日本語の言語フィルターを経由するので、ネイティブのスピーディーな会話についていけなくなります。多くの日本人が英語を苦手とするのは、左脳ばかりをつかって、右脳をあまり使っていないからです。

ただ聞き流して英語のシャワーを浴びるという手法が、完成したものからの「演繹的手法」なのにくらべて、細かく分解する方法は、いちから素材を組み立てていく「帰納的手法」といえます。

両者を組み合わせると効果的

英語のヒアリング教材には、このように2タイプがあるわけですが、どちらがいいとか悪いとか言うのではありません。あえて言えば、今の日本人に欠けているほう、つまり「ただ聞き流す方法」のほうが大切だとは思います。しかし左脳的なアプローチ、つまり論理的に理解していくという勉強方法も、もちろん有効であり必要です。ようは、両者をうまく組み合わせて、お互いに歩み寄っていくことが大切ではないでしょうか。

ちょっと話がそれますが、人間の歯は肉を噛みきる切歯(門歯)や犬歯もあれば、穀物や野菜をすりつぶす小臼歯や大臼歯もあります。これは何を意味するのかというと、肉食だけとかベジタリアンというような「偏り」は、本来、あってはならないということです。歯の形から察するに、健康的に生きていくには、肉も野菜も必要といえるのです。

これと同じように、人間には論理的思考を司る左脳と、芸術を味わったりする右脳の2つが備わっています。
ということは左脳だけとか右脳だけといった勉強のやり方は、どこかにひずみをもたらします。この両方をバランスよく使っていくことが、人間に本来そなわった脳の、正しい使い方といえるのではないでしょうか。