学習を習慣化する方法とは?

小学生でも中学生でも、もちろん高校生や大学生でも、学習を習慣にするには、たった一つの方法しかありません。それは、できるだけ間隔をあけずに持続する、ということです。

要するに自分に甘えていては、いつまでたっても勉強の習慣はつきません。とはいっても緊張ばかりして、頭では「やらなければ!」と焦りつつも、実際の行動として出てこないケースが多々あります。そうなると、3日、10日、1か月、3か月・・・というように日にちが経過するだけで、いっこうに勉強のほうが進展していきません。

この悪循環を断ち切るためには、勉強のやり方を工夫して、どこかで「実際の勉強」に踏み切らなければなりません。学習を習慣化するためのポイントは、以下になります。

  • やろうと思い立ったときが、チャンス!
  • 最初は、少ない勉強時間であってもOK!
  • 勉強の周辺を整える
  • 周りの人がサポートする

要は勉強までの敷居を低くするということであり、外部から潤滑油をさしていく、ということです。

勉強への不安が出てきたときがチャンス

誰しも勉強しないでいると、不安になるものです。宿題をまだしていない、中間・期末テストの準備に取り掛かっていない、高校受験や大学センター試験の勉強をまだ始めていない・・・。対象のものから逃げるほど、その不安は増大するばかりです。そういったとき不安感を解消する方法は、ただひとつ、対象のものに飛び込むことです。これしかありません。

学習の習慣といっても、最初はだれしも「第一歩」なわけです。あとは、その持続です。その集積が習慣となります。勉強への不安が出てきたとき、それを放っておくと、不安が増大するいっぽうです。ですから「勉強しなければ・・・」と考えたときが、勉強をする唯一のチャンスです。

でも、勉強が嫌いな子供や中学生、高校生などは、自分のなかで学習に対する敷居を高くしてしまっています。これには感情をつかさどる扁桃体が作用していて、長い年月に形成されてきたものですから、一朝一夕には崩せないかもしれません。しかし、ただひとつ苦手意識を崩せる方法があります。それは「敷居を低くする」という勉強方法です。一気に苦手意識を崩すことは困難ですが、少しずつなら崩していけるはずです。

いきなり勉強をはじめる

苦手意識を克服するには、まずは外面的な部分で、敷居を低くするように工夫します。
形から入る、ということですね。たとえばカバンや引き出しの中に、教科書や参考書を閉まっていると、「勉強しよう」と思ったときにタイムラグが発生します。そうなると、教科書にたどりつくまでが「面倒」になってしまい、結局は勉強しないということになるのです。

そこで教科書を奥深くにしまわずに、つねに目に見える場所においておくようにします。
たとえば机の上や、リビングルームのテーブルの上などに積んでおくわけですね。こうすることによって、「思い」と「行動」が直結しやすくなります。「勉強しよう!」と思ったら、”おもむろに”テキストをパッと手にとればよいのです。このような環境にすれば、カバンのなかに入れているよりは、勉強を開始できる確率が高まります。そして、この努力の集積が学習の習慣となっていきます。

勉強にかぎらず、どんなことにもいえますが、人は1か月間同じことを続けていると、脳内に太い神経回路が形成されるといわれています。そうなると、あとはその回路にまかせっきりでも、しぜんと目的の行動をとれるようになります。これが習慣化の力です。

習慣が形成されるまでには、約1か月間かかります。
つまり大変なのは、最初の1か月だけ。そこさえクリアできれば、あとは楽になるわけです。このことが分かってしまえば、1か月間、ずっと持続していくことは、うんと楽になるのではないでしょうか。

勉強時間にこだわらない

いままで勉強してこなかった人は、いきなり1時間とか2時間、机に向かおうと無理すると、挫折や失敗の原因になります。とにかく「勉強すること」が今時点の目標ですから、習慣化するまでは勉強時間にこだわらないほうがよいのです。たとえ1分でもOKです。3分でも10分でも、とにかく「教科書を開いて読む」ことを目標にします。受験生だったら、過去問を1問だけ解くというのも立派なノルマです。

実際のところ、10分だけとはじめてはみたものの、だんだんエンジンがかかってきて、気づいたら30分や60分勉強していた、なんてことはよくあります。これは大脳辺縁系にある側坐核という部分にスイッチが入ったからです。ここは「脳内のやる気スイッチ」といわれる部分。つまり、「やる気」が出てから始めるのではなく、始めることによって、だんだんとやる気のスイッチが入るということですね。

人は、とりあえず行動を開始することによって、脳波がベータ波からシータ波に移行していって、だんだん集中力が高まっていきます。ベータ波は勉強がはかどらないときの脳波、シータ波は集中力が高まっているときの脳波です。

このように作業していく過程で、どんどん集中していける心理を、作業興奮といいます。
作業興奮の原理から考えれば、先ほどの「いきなり勉強をはじめる」という方法は、理にかなっているわけですね。そして勉強への敷居を、より低くするために、勉強時間にはこだわらないほうがよいのです。とはいっても作業興奮の原理で、気分が乗ってきて、気づいたら長時間勉強しているものですが・・・。

以上のように、いきなり勉強を開始して、しかも時間にこだわらないという方法を毎日、欠かさず続けていくことによって、1か月後には学習の習慣が身についているはずです。

さらにいえば、毎日行う科目は何でもよいと思います。毎日同じ教科である必要はありません。
「勉強の習慣」をつけることが目的ですから、今日数学をやったら、明日は英語でもよいわけです。そうしないと、一教科だけに偏ってしまいます。まんべんなく、バランスよく行うことが大事なわけです。

全教科を毎日やるとなると膨大な量になってしまい、それでは学習を習慣化することが難しくなってしまいます。とにかく最初のうちは、「勉強という行動をとる」という一点にのみ集中する。そして習慣化が確立してから、すべての科目を並行して、バランスよく、毎日行うことを習慣にするという「2段構え」がオススメです。

周りもサポートすると、より確実

もし幼児や、小学生の子供に学習の習慣をつけさせたいなら、以上のような方法のほかに、親御さんがサポートしてあげるとよいかもしれません。たとえば筆箱や下敷き、定規などの筆記用具を買ってあげる、学習机を買ってあげるなどですね。

勉強部屋を与えるのも効果的ですが、勉強の習慣をつけさせてからのほうがよいでしょう。
与えたとたんに、頑張らなくなる可能性もありますし、死角をつくってしまうからです。まちがいなく勉強の習慣が確立したのを確認してからがオススメです。勉強部屋は、よりいっそう勉強に頑張ってもらうために与える、という位置づけになります。

つまり1か月間、毎日勉強を頑張れば、勉強部屋という「ご褒美」を与える約束をすれば、子供も、それが楽しみになり、頑張れるのではないでしょうか。もし高校生以上なら、自分で1か月後にご褒美を設定することによって、それを楽しみに頑張れます。1日のなかでも、勉強を頑張ったあとに、好きなゲームをしようと決めれば、頑張れるものです。

そのほか、ちょっとでも子供が勉強をがんばったら、その都度ほめてあげることです。
そうすると、内心うれしくなり、また頑張ろうと思うわけです。これが持続のモチベーションとなり、学習の習慣化へと一役買います。

もし大人なら、自分自身をほめるというテクニックも有効です。先ほどのご褒美も、じつは自分をほめることになっています。また絶対に達成できるノルマを朝に決めておいて、それを達成する。すると、その達成感が、なによりのご褒美になります。