確実に暗記できる記憶の方法とは?

記憶の方法といった場合、たいていは歴史の年号や人名、英単語のスペルや発音、元素記号といった「意味をなさない事項を丸暗記する」という意味だったりします。もちろん、なかには教科書の文章をまるごと暗唱する方法を探している人もいることでしょう。こういったものは前後の脈絡なしで暗記しようとする場合、とにかく繰り返すしかありません。

でもそれでは大変ということで、できるだけ語呂合わせにしたり、概要の理解から入ったりして、イメージの力を借りながら覚える方法が考案されてきました。これが記憶法の歴史といえます。いいかえると左脳よりも右脳を活用した記憶の方法のほうが、効率よく脳にインプットできるわけです。

記憶の方法には、じつは2通りあって、2ステップを踏むことが、最も確実な記憶力の高め方となります。

  • まずは海馬を大きくする
  • そのうえでテクニックを活用する

記憶力をアップさせるには、まずは「記憶しよう」と努力することです。
そのように日々奮闘して、頭をよく使っていると、記憶の管理棟である海馬という部分が大きく発達していくことが知られています。脳細胞が増えて、見た目にも大きくなるわけです。逆に、あまり努力して覚えようとしない人は、海馬の細胞が減少し、委縮していくといわれています。

記憶の方法を考える場合は、まずは、テクニックうんぬんではなく、とにかく何度も繰り返して覚えようとすること・・・これが大事になるわけです。そのように頑張っているうちに、それほど繰り返さなくても記憶できるようになってきます。海馬が大きく発達するからです。記憶術などのテクニックは、それからマスターしても遅くはありません。

とにかく反復することが肝心

記憶の方法は、何度も何度も繰り返すことに尽きます。
そうすることによって、海馬にたいして「重要な情報である」と知らせることができます。海馬は重要な情報のみを、側頭葉などの長期記憶の保管庫へと移すので、いかに重要な情報と認識させるかが大切になってきます。

その方法としては、できるだけ印象深くしたり、適度な緊張感を伴って記憶作業をすることが大事ですが、「何度も繰り返す」ことも有効な手段のひとつです。

何度も繰り返す、つまり復習に重点をおく学習法は、それ自体、記憶に有利なだけではなく、冒頭で述べたように海馬という部分も大きく発達させます。脳細胞の数が増えるので、何か今度別のものを暗記しようというときに、「少ない回数で」覚えられるようになっていきます。つまり1回の記憶作業の質がアップするのです。
集中力が違ってくるとでもいいましょうか。

このように中学受験や高校受験、あるいは大学センター試験の勉強において、毎日復習する時間を取ることは、その知識を長期記憶化するだけではないわけです。今度、新たなことを覚えようとしたときに、よりすんなりと暗記できるトレーニングも兼ねているのです。つまり毎日、かならず復習する時間をとれば、それこそが記憶の方法として最高のやり方ということになります。

記憶は理解を伴ったほうがよい

日本史や世界史の年号を覚えても、中間・期末テストが過ぎれば忘れてしまうことが多いと思います。
ましてや社会人になってまで、すべて覚えている人は、よほど歴史に興味がある人でもない限り、ほとんどいないのではないでしょうか。645年は大化の改新だとか、1192年に鎌倉幕府ができた、くらいしか覚えていないものです。

語呂合わせにしているから、かろうじて出てくるわけです。もし語呂合わせにしていないと、なかなか思い出せないはずです。このようにイメージと結びつけることによって、記憶は、より強固なものになります。

私が推奨したい記憶の方法は、ごろ合わせではなく、もっと大きな視点からイメージで抱擁するやり方です。つまり歴史なら、まずは流れを把握するように努める。それはつまりイメージです。そのイメージを作ってから、こまかな年号や人名に目を向けていくわけです。逆にいえば、イメージができるまでは、意識して細かな年号などには目をむけないということです。そうすれば乾いたスポンジが、急速に水を吸い上げていくように、面白いように暗記していけるはずです。

しかも、この方法なら、テストや模試、入試のときだけではなく、将来的にも使える記憶となります。
とつぜん「645年は大化の改新」とだけ断片的に思い出しても、その前後の流れを思い出せなければ、それは使える記憶とはなりません。歴史の流れのイメージをまずつくり、そのうえで「しぜんに」詳細を覚えていけば、生きた知識となるわけです。

記憶方法の理想をいえば、無理に覚えようとしないことです。
教科書やテキストを何度も読み返しているうちに、しぜんと細かなことを覚えていく。これこそ無理のない、最高の記憶術です。このことは弁護士や司法書士、弁理士、税理士、ファイナンシャルプランナー、ITパスポート、看護師、医師、地方・国家公務員試験、不動産鑑定士など、難関の資格取得の学習にもいえることです。

ただし、この勉強方法は時間がかかります。
そのため、できるだけ長いスパンで取り組める人に適したやり方となります。試験日まで、あまり時間がないという人は、勉強時間をショートカットできる速読法や記憶術のテクニックも考えてみてはいかがでしょうか。

あとがき

記憶術の方法は、テクニック面ばかりに目が行きがちですが、復習を毎日、学習に取り入れることこそが、じつは最高の方法だったりします。復習を重視することによって、勉強内容も、より確実に身についていくので、学習が面白くなってきます。そして、それはモチベーションのアップへとつながっていきます。

テレビ番組の「テストの花道」では、いろいろな勉強のやり方が紹介されていたりします。ときには効果的な暗記術も紹介されていたりするので、受験生は必見ですね。そのほかサイトやブログ、2chなどの掲示板やスレにも、たまにいいことが書いてあったりします。

記憶の方法として、写真記憶というものもあります。一瞬で見たままを脳に焼き付けるというのは、かなり高度なテクニックです。しかし、何度も繰り返しテキストを読んでいると、写真記憶のような、右脳をつかったイメージ記憶ができることがあります。たとえば教科書や受験参考書を何度も繰り返して読んでいると、あのあたりに写真があったなとかいった覚え方ができます。写真の位置が把握できれば、その写真の右隣には、こういったことが書いてあったな、というように連鎖的に覚えていけます。その意味では、できるだけ写真やイラストなどが掲載されているテキストを選ぶほうがいいかもしれませんね。文字だけのテキストだと、なかなか写真記憶のような覚え方はできないかもしれません。

記憶力を上げる方法として、食べ物や音楽、匂いなんかもあったりします。食べ物だとマグネシウムがいいとか、コーヒーにふくまれるカフェインがいいとか、大豆にふくまれるレシチンがいいとか、いろいろいわれています。しかし、多少は効果があるかもしれない、という程度であり、けっきょくは日々、復習に重点をおいた学習にはげむことこそが、最高の記憶方法といえるのではないでしょうか。