受験参考書の学習は、選び方から

中学受験、高校受験、そして大学入試にむけての勉強においては、教科書だけという人は少ないでしょう。
というか、ほとんどいないと思います。国語であれ数学でれ、また英語や社会科、理科であれ、なんらかの参考書をつかって学習している人がほとんどです。

参考書学習においては、まずは自分に適した本を選ぶことが出発点です。
ここで、その参考書を制覇できるかどうかが、ほぼ決まるといっても過言ではありません。まず、どんな人にでも共通する、参考書選びのポイントを挙げると・・・。

  • シンプルな色づかいのテキストを選ぶ
  • 自分の実力に見合ったものを選ぶ

この2つは参考書学習の大前提といえます。いろいろな色をつかっている本だと、目がちかちかして集中できないことが多くなります。またたくさんの色づかいをしていると、自分が記憶したい箇所に蛍光ペンで線を引いても、目立たなくなります。やはり受験参考書は、最初から「すべてを与えられる」よりも、自分で書きこんだり線を引いたりして、「自分好みに作り上げていく」ほうが身に付きやすいものです。

書店で受験参考書を選ぶさいには、まずは本を手に取り、全体をぺらぺら見るようにします。
いきなり詳細を読むようなことはしません。これによって右脳的に、自分に合うかどうかを判断できます。直観で、なんとなく、「あっ、この本は自分向きだな」とか分かったりするものです。

その次の段階として、詳細に目を向けていきます。すでに知っている単元の部分を読んでみるわけです。
知らない部分を読むのではなく、すでに知っているところを読む。こうすることによって、参考書の親切度、切り口、文章のわかりやすさなどが分かります。

そのほか、自分の実力に見合った内容であるかも重要です。
上記の2ステップ法で、いくら素晴らしい参考書が見つかっても、内容的に難しければ、とりあえずは保留にして、別のもっと平易な参考書を選ぶ必要があります。自分の実力以上の本を購入しても、途中でついていけなくなる可能性が高いからです。背伸びをせずに、”ちょっと難しいかな”という程度の本を選びましょう。

まずは、受験参考書の使い方をマスターする

「社会科」の地理や歴史、公民、倫理、あるいは「理科」の物理、化学、生物といった参考書には、最初のほうに「本書の使い方」といったページが設けられています。そこには、その参考書独自の読み方が書かれています。この部分にはタイトル、この部分には補足説明、この部分には注意点・・・といったように。

参考書学習においては、この「使い方」の部分を熟知することが、非常に大切になります。
多くの人は、「そんなことわかってるよ」といって、簡単に考え、読み飛ばしてしまいがちです。とにかく、早く本題に入りたいからです。

しかし参考書は、書かれている場所によって、きちんと意味があります。
ですから、この「使い方」を熟知することが、その参考書を制覇できるかどうかのカギを握っています。参考書を買ったら、最初の3日間は「使い方」の部分だけを繰り返し読んで、頭に叩き込むほうがよいのです。その3日間は、「使い方」を研究すると同時に、全体をぺらぺら眺めるだけの時間にします。

そのようにして、これからお世話になっていく参考書に慣れていくわけです。
これは、いわば助走期間であり、わくわくしながら気分を高めていく期間。この「自分をじらす」期間を設けることで、その後、一気に勉強のモチベーションアップへとつながっていきます。

参考書は、もちろん「敵」ではなく、これから苦楽を共にする「相棒」といった感じです。
しかし「敵」と考えると、まずは相手をよく知らなければ勝てません。スポーツでも敵のことをよく知ることが、相手に勝つための要素といわれています。

これから格闘する参考書のことを、まったく知らないというのは致命的です。
つまり参考書というものは、「独自の使い方」と「内容自体」の両方を学習する必要があるのです。買った日をふくめて最初の3日間は、「効果的な使い方」を研究するとともに、だいたいどんな内容が書かれているのかを「探る」期間にしましょう。いわゆる偵察期間であり、リサーチの期間です。そのあとに、それらすべてを勘案して、その参考書に見合った受験計画や、毎日のノルマを決定していきます。

参考書学習は、1冊を徹底的に繰り返してこそ

参考書は、中学受験であれ高校受験であれ、大学センター試験であれ、何度も繰り返すことで、はじめて身に付くものです。そのためには、多くの冊数を使うよりも、1冊だけと決めて反復するとよいかもしれません。

そのほうが、「そういえば、あのページの、あの写真の下あたりに書いてあった」といったように、経験記憶を味方にできます。あたかも写真を見るように、脳に記憶を「そっくりそのまま」焼き付けることができるのです。これが1冊だけを追求していく勉強法のメリットです。

もちろん複数の本を同時進行で勉強するやり方もあります。
しかし、まったくの初心者で、右も左もわかならいようなレベルの場合は、まずは1冊だけから学んだほうがよいのではないでしょうか。複数の参考書を同時進行で読んでいく勉強方法は、ある程度の知識がある人にオススメの方法です。

参考書学習を継続していくと、とくによく読むページの横が黒ずんできたりします。
自分だけの本になっていき、愛着がわいてきます。ふつうの本なら、著者によって書いている内容が違っていたりしますが、受験参考書は体系的に書かれているので、どの本でもたいていは同じです。たんに、伝え方がわかりやすいかだけの問題です。

そのため自分に見合った1冊だけに絞り、それをとことん追求して、深めていくほうが自信になるのではないでしょうか。ページの黒ずみを見ると、「ああ、こんなに勉強したんだな」という思いになり、それが「やりきった」という気持ちにつながっていきます。複数の本を同時進行という勉強法では、このように使い込むことは、なかなか難しいかもしれません。

参考書の学習においては、本に書き込まずに「デフォルトのまま」きれいに使う人もいれば、どんどん書き込んで「自分好みに拡張」していく人もいます。これは、各人の好みでしょう。ただ、書き込みを少なくすれば、すっきりとしますし、気が散らないメリットがあります。本文のほうに集中できます。いっぽう、参考書にいろいろ書き込むと、汚らしくなり、気が散ってしまうということもあります。これは、蛍光ペンや赤ボールペンで線を引く場合にもいえます。

せっかく気に入った受験参考書を買ったのに、あまりに線を引きすぎて、汚くなってしまった・・・とならないように、本当に重要だと思う箇所にのみ線を引くようにしましょう。そのためには1回目に読んだときは線を引かず、何回か読んだのちに、「本当に重要な部分」を見極めて、それから線を引くことがコツです。

あとがき

参考書学習においては、英語やドイツ語、フランス語、中国語、 イタリア語などのように、文法書、単語帳、文章主体の本など、内容によって複数のものが必要な場合があります。社会人が英語をやり直すような場合、中学英語を1冊にまとめたような本も、もちろん出版されていますが・・・。

参考書えらびのさいには、あまり出版社にこだわる必要はないと思います。大手の受験予備校は、東進ブックス、代々木ライブラリー、SAPIX、河合出版、駿台文庫などで出版しています。しかし最終的には、自分で実際に書店で見てみることが大切です。そのさい本文でも述べたように、色づかいはシンプルなほうがいいと思います。またレイアウト的に、ゆとりがあるか、あまりに詰め込みすぎな感はないか、といったことも判断材料となります。

ネットにはオススメの参考書とかランキングとかがありますが、やはり、それらは参考にすぎません。またアマゾンなどの書き込みで、ほかの人の口コミがいいからといって、それがそのまま自分にとっても良い受験参考書とは言えません。なぜなら各人でレベルが違うからです。また細かいことが好きな人は、詳細まで事細かに書かれている本が適していますが、それが嫌だという人もいます。その場合は、わかりやすく大局を書いてくれているような本、いいかえると、できるだけ専門用語を使わない本のほうが合っているわけです。

以上のことは現役の学生や浪人生だけではなく、医師、看護師、弁護士、司法書士、弁理士、税理士、一級建築士、情報処理、危険物取扱者などなど、社会人が資格取得を目指す場合にもいえます。その場合の注意点として、通勤時に学習する予定がある人は、あまりに分厚い参考書を選ぶと手が痛くなったりします。その場合は、できるだけ小さめの、薄い本を選ぶとよいかもしれません。

参考書学習のテクニックとしては、できるだけ薄い本をたくさん使うという方法もあります。こうすれば、多くの本に接することができるし、達成感もそれだけ多く味わうことができます。1冊だけと決めると、果てしないレースをしているような感覚になり、なかなか達成感を味わうことが少なくなります。そのかわり本文で述べたように、写真記憶のような、経験記憶を活用できるメリットや、使い込むことによる自信といったものが得られますが・・・。地道にコツコツ進めていくことが得意な人は、分厚い参考書1冊だけに絞って学習し、飽きっぽいという自覚がある人は、できるだけ薄いものを選択するとよいのではないでしょうか。