夜の勉強効率っていいの?

夜に勉強することは、はたして効率的でしょうか?
多くの人は、朝と夜を比べた場合、朝のほうが頭が冴えているので、早朝学習のほうをすすめます。それは確かにそうです。朝起きた後というのは、睡眠中に記憶がすっきりと整理された直後。ですから、脳に空きスペースができているわけです。その時間帯に暗記モノなどを行えば、すんなりと記憶していくことができます。それが前日の復習だとしたら、なおさらです。

さて、そのように朝と夜の勉強を比較した場合、どうしても遜色が強くなってしまう夜の学習。
夜の勉強が勧められない理由としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 脳に情報があふれているので、あまり入ってこない
  • 副交感神経が優位になってくるので、勉強に身が入りにくい

この2つに集約されると思います。
もっとかんたんに一言でいえば、夜は脳が疲れているうえに、眠気があるということです。そのため、受験勉強などには適さないと言われているわけですね。

”夜勉”が勧められる理由とは?

しかし、だからといって中学受験や高校受験、大学センター試験を目前にひかえているときに、夜の勉強をしなくていいわけではありません。むしろ夜の時間帯を制覇し、効率よく上手に過ごすことができた人こそが、「試験の合格」という最終の栄冠を、より確実に手にできるのではないでしょうか。

そこで次に、夜に勉強することのメリットを挙げてみます。

  • 論理的な教科ではなく、暗記ものの教科に適している
  • 体を使った勉強なら、眠気が追い払える
  • 副交感神経が優位ということは、リラックスして勉強できるということ

このように朝では得られないようなメリットが、夜の学習にはあります。
眠いときは、数学などの論理的な教科は、頭がなかなか回転してくれないので適さないかもしれません。しかし、そのかわり「丸暗記」して対応できるような勉強を持ってくればいいのです。たとえば英単語や英熟語、連語、構文、元素記号、歴史の年号や人名などの「無条件で覚えるような知識」ですね。

しかも、目(視覚)だけで教科書や英単語帳を追っていくと、それこそ眠くなってきます。
そこで、できるだけ発声(音読)したり、手書きで「書きとり」をしていくことがオススメ。こうすることによって、アゴや手の筋肉を使います。これが血流をよくすることになり、脳の血流までよくします。また感覚刺激が神経を通って、脳の体性感覚野を刺激します。その結果、目が冴えてくるのです。あえて夜にコーヒーなどのカフェインを摂取する必要はないわけです。

夜の勉強のときに眠いからといって、カフェインを摂ってしまうと、その後4時間は体に残ってしまうので、寝付きに影響してしまいます。実際には7時間ほどは、体内に残るといわれています。ですから夜間の学習のさいは、眠気覚ましのコーヒーはやめて、体を動かすような勉強方法に切り替えればよいのです。

リラックスと運動を交互に繰り返そう

また、夜に眠気があるということは、自律神経が副交感神経のほうに傾いているということを意味します。
副交感神経とは、安静とリラックスを司るモード。つまり脳波がアルファ波になるということで、むしろ勉強には最適な時間帯といえるのです。ただ問題は、いままで書いてきたように「眠気」ですよね。これさえクリアできてしまえば、肩の力をぬいて緊張感なく学習できるので、むしろ勉強がはかどるはずです。

夜はふつうに机にむかっていると、眠くなってきてしまうので、今まで述べてきたように体を動かす勉強がオススメです。ただし、ずっと音読や書き取りをしていると、疲れてしまいます。ですから「緩急をつける」と、うまくいきます。

たとえば、書き取りなどの勉強をしばらくしたら、つぎはテキストや参考書を「黙読」します。
体をつかったあとなので目が冴えています。そのため黙読しても、あまり眠くならないのです。しかし、しばらくすると、だんだん頭の回転がにぶってきます。そのときは、今度は英語の教科書を音読したりすればいいのです。このように「静」と「動」を交互に配置することによって、眠気を効果的に防いでいくことができます。

ただ、これでは勉強一辺倒になってしまい、へとへとに疲れてしまいます。
人間の集中力は長くても90分といわれています。ですから、これを越えて、続けて学習しないようにします。
60分くらい、あるいはもう少し短い時間ずつ、区切ったらいいのではないでしょうか?

たとえば45分勉強したら、5分くらい部屋のなかをぐるぐる歩いてみたり、踏み台昇降で有酸素運動をする。
あるいはストレッチで、凝り固まった筋肉や骨を、気持ちよく伸ばしてみる。このように、「勉強と関係のない運動」でも、全身と脳の血行が改善されて、眠気が去っていくわけです。すると、そのあとの夜の勉強が、さらに頑張れるようになります。

夜の勉強は引き際が肝心

以上のように朝よりも、夜の勉強効率が低いからといって、やらないでいるとライバルに差をつけられます。
要は、朝も昼も夜も、それぞれのメリットを最大限自覚して、それぞれの時間帯にもっとも合った勉強内容にしていくことです。夜に眠ければ、それに適した暗記モノをする。しかも、できるだけ体を動かす学習(書き取りや音読)をしたり、休憩時間に軽いエクササイズをすればよいわけです。

ただし夜の勉強は、ほどほどにして切り上げることが大事です。
具体的にいうと、寝るまでの時間を空けることです。寝る直前まで勉強していると、交感神経のほうが優位になってきて、すぐには寝付けなくなります。そうなると朝寝坊をしたり、生活のリズムがズレて夜型になる危険を秘めています。とくに時間が自由な浪人生は要注意です。

また夜の勉強時間は、「何時まで」と決めておくことが大切です。
11時までと決めたら、そこで「スパッ」と中断します。そうしないとズルズルひきづってしまい、気づいたら夜中の1時、2時になっていた、なんてことにもなりかねません。そうなると、やはり生活リズムのズレを招いてしまうことに・・・。どんなにハイテンションで、乗ってきたとしても、決めた時間がきたらスパッと中断することです。あとは、明日の朝にでも早く起きて、埋め合わせの勉強をすればよいのです。

このように不本意な箇所で終えることは、記憶の定着に一役買います。
スッキリと終えた場合とくらべて、中途半端なところで終わると、そのことを睡眠中もずっと気にし続けることになります。これが長期記憶として定着することを助けるのです。また次回の勉強へのモチベーションへとつながっていきます。次の勉強が待ち遠しくなるからです。これをツァイガルニック効果といいます。

夜の勉強のあと、興奮して眠れないからといって酒(アルコール)に頼ることは、もってのほかです。
アルコールを摂取すると、海馬で長期記憶になりづらくなることがわかっています。とくに学習前、そして学習後のアルコールは禁忌です。勉強したことが、すべて頭から抜け出てしまう危険があるので、飲んだ日は勉強しないなどの自己管理が必要です。

あとがき

夜に勉強する場所は、どこが適しているのでしょうか?それは自宅です。カフェやファミレス、マック(マクドナルド)とかに行くと、照明が強い場合は、脳の松果体からのメラトニン分泌を減少させることになります。そうなると、その後に帰宅してから眠りづらくなってしまうことに。また、どうしてもカフェインを摂りがちになります。
逆に薄暗い場所で勉強すると、視力の低下や目の疲れを引き起こします。やはり夜の学習は、明るすぎず暗すぎないように調節ができる「自宅」がいいのではないでしょうか。また外で勉強していると、どうしてもダラダラしがちになります。それは夜更かしへとつながっていきます。

夜の勉強では、姿勢を正して座ることもオススメです。こうすることによって、たとえテキストを黙読していても、眠気を追い払えます。背すじを伸ばしたときに、その信号が脳に伝わるために、脳を活性化するからです。そのほか足元に、突起のついた足ツボグッズを置いておくというのもいいですね。そうすると足裏からの刺激が、脳を刺激してくれます。これなら勉強の邪魔にならないし、途中でストップせずに長時間、勉強に集中できます。

夜は、あえて「立ったまま」勉強することもオススメです。こうすることで、足の筋肉をしぜんと使うので、とくに運動しなくても、脳の血行がよくなります。もちろん眠気もふきとびます。ただ、ずっと立ったままだと疲れてしまうので、本文中に書いたように、立ったり座ったりを繰り返したらどうでしょうか。

会社勤めの社会人のかたは、夜しか勉強できないことが多々あります。そうなると帰宅してからの学習は、非常に貴重です。筋肉をうまく刺激して眠気を追い払うことに成功しさえすれば、夜は静かですし、資格試験の勉強をするゴールデンタイムといえるでしょう。時間が短いからこそ、集中力や記憶力を発揮できます。寝る時間をしっかり守りさえすれば、「締め切り効果」によって、しぜんと集中力は高まるものです。しかも、早めに切り上げることによって、十分な睡眠時間が取れます。そうすると勉強したことが、確実に記憶に定着するので、結局はこのほうが身に付きやすくなります。夜はだらだらせずに、質の高い勉強を目指すことが大切といえます。